二十四節気のひとつである白露とは、「陰気ようやく重なり、露凝って白し」ということから名付けられました。夜中に大気が冷え、草花や木に朝露がつきはじめる頃。その露がキラキラと、白く光って見える様子です。日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まり、空もだんだんと高くなってきます。古今和歌集でも「浅緑いとよりかけて白露を珠にもぬける春の柳か〈遍昭〉」など、白露が美しく光る光景が詠まれています。白露を過ぎてすぐ、9月9日は菊の節句。平安時代の9月はきっと現代より涼しいだろうな、などと季節の言葉の由来を調べながら、古の風景に思いを馳せるのも楽しいのではないでしょうか。
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